清水っ娘、袴田事件を追う

清水生まれの23歳が袴田事件再審と関わりながら学んだこと。

【傍聴記】第8回公判(24/2/14):きっと、いや絶対勝つ!【袴田事件再審】

2024年2月14日(水)、袴田事件再審第8回公判。

今回と翌日の第9回公判が、証人尋問前の最後の公判であり、大きな山場となる。

それはさておき、この日、2月14日はバレンタイン!

支援者や弁護団の大好きな皆様へ、普段の感謝と勝利への願いを込めて、キットカットを配るために一日中走り回っていた。「”きっと”勝つ」では弱い気もするけど、まあそこは許してください。

バレンタイン限定のくまちゃんの形のキットカットなのです~。

当日お渡しできなかった方にも、この場を借りて心から感謝申し上げます。いつもありがとうございます。

今回も当選して、5回目の傍聴になった。今回驚いたのは、見渡す限りほとんどが顔見知りの支援者の方々だったこと。

普段なら、一般傍聴席も記者なのか何かよくわからない方々ばかりで、支援者はせいぜい5人くらいしかいない。いつもとは打って変わって、支援者集会かと錯覚するような、アットホームな法廷だった。

巖さんの無罪のために長年闘い続けてきた支援者の方々が、やっと開始された再審公判を、一度も傍聴できないまま終わるのはあんまりだ。私のような野次馬が何度も傍聴しているのが申し訳なく、できることなら傍聴券をお譲りしたい、と若干肩身の狭い思いをしている。

今回は、長年精力的に支援活動を行われてきた支援者の山崎さんが見事当選された。傍聴席から法廷を見つめているお姿に、勝手ながら、なんだかぐっと込み上げてくるものがあった。

公判前のひで子さん、山崎さん、ボクシング協会の松岡さんと真部さん。松岡さんも当選された。

今日の午前中は、弁護側の田中先生と角替先生から見事な主張!午後は検察側から、見事な荒唐無稽なたわごとが繰り広げられた。ただ、小川先生が逐一飛ばされる異議がとても痛快で、見応え抜群だった。

第8回公判傍聴記

11:00 定刻通り開廷

▷弁護側

今回は、袴田さんの自白調書をもとにねつ造された、
(1)侵入経路
(2)脱出/再侵入経路(=裏木戸)
(3)盗まれたお金の行方
の3点について。

事件直後から、警察は都合の悪い証拠を隠蔽したり、ねつ造証拠を作ったりを繰り返し、そしてそれが徐々にエスカレートしていったのだと主張。

田中先生の美しい冒頭陳述と、角替先生の鋭い要旨の告知で、小気味よく進んでいく。

(1)侵入経路

袴田さんの罪名は、強盗殺人、放火、そして住居侵入である。

脱出経路とされる裏木戸の問題はよく取り沙汰されるが、どうやって侵入したのかという点は、そういえばすっかり忘れていた。

当時の事件現場の写真などを見る限り、線路沿いには木が生い茂り、両隣の家とは密接していて、侵入するにはどうにも難しそうに思える。

検察側の主張によれば、袴田さんは、線路から防護柵を乗り越え、被害者宅の隣の家の庭に侵入し、木に登って被害者宅の屋根に移り、水道管をつたって中庭に降りている。

これだけでもすでに大変そうなのだが、この防護柵の高さは1.55mもあり、有刺鉄線が張られていた。

また水道管は直径2.7㎝で、大人が力をかければすぐに壊れそうな脆いものである。

侵入経路イメージ図。実際の図とは異なりますが、難易度だけ実感してください。

犯行時刻は深夜なので、もちろん現場は真っ暗。そしてこのときの服装は、5点の衣類の上に雨合羽、足元はゴム草履である。

とんでもない超人的な芸当だが、袴田さんは実に簡単にこれをこなしたことになっている。

(2)裏木戸

脱出→(混合油を持って)再侵入→再脱出の経路とされた裏木戸は、火災発生時には鍵がかかっていたことが確認されている。戸や接している部分の焼け方から見ても、火災中に裏木戸が閉まっていたということは明らかである。

にもかかわらず、警察の報告書では、通り抜けることが可能だったとされている。もちろんそんなことは不可能であり、警察が撮影した写真は上の留め金が写らないようにトリミングされたもので、どう見ても怪しさしかない。

(3)盗んだお金

袴田さんは、盗んだお金を元同僚の女性に預け、その後、番号の部分が焼かれた状態のお札が入った清水警察署宛の封書が、清水郵便局で見つかったとされている。

このあたりの時系列をざっと確認。

9月6日 「元同僚の女性にお金を預けた」と袴田さんが自白。
9月9日 警察が、盗まれた金袋を使っていたみそ会社の販売員に、中に入っていたお金の金種を確認する。
9月13日 郵便局でお札の入った封書が発見される。金種は販売員の証言と見事に一致。番号部分はすべて綺麗に焼かれ、「イワオ」と書かれたお札も発見された。
9月14日 元同僚の女性を逮捕

「何という都合の良い偶然の展開でしょうか」田中先生が、低く響く声で訴えかけた。

また7月に、吉原のバス車内で、現金8万3920円と、こがね味噌の葉書などが入った黒革財布が見つかっている。盗まれたとされる金額は8万2325円。偶然の一致にしてはできすぎているような。

「以上のようなねつ造の集大成が、5点の衣類のねつ造なのです。」

田中先生がゆっくりと語りかけるように高らかに述べ、冒頭陳述を締め括った。

 

▷13:15~ 検察側

お昼の休憩を挟み、午後からは検察側の主張に入る。

弁護側が主張する
(1)「袴田さんの自白が無罪を証明する」ということ
(2)捜査機関による被害金のねつ造
(3)外部の複数犯による犯行
の3点への反論が行われた。

≪冒頭陳述≫

(1)「袴田さんの自白が無罪を証明する」ということについて

「自白が無罪を証明している」と結論付けている、心理学者・浜田寿美男教授の鑑定は誤りである、と主張。

実体験に基づかなければできない供述もあり、浜田鑑定は「取捨選択が恣意的」と批判する。また、心理学とは無関係な個人的な経験則にすぎず、通常の刑事裁判で行われる事実認定と変わらない、と全面的に否定した。

取調べの録音テープは、誰が聞いても明らかに拷問のような違法なものだ。だから、自白の部分でこんなに堂々と噛みついてくるのか、とびっくり。

袴田さんの供述は、捜査官の想定に迎合するものではなく、むしろ想定と異なることを積極的に供述していると主張する。

まず、犯行動機については、最初は専務夫人と肉体関係があったというものだったが、後から強盗目的へと変遷していく。これは動機の悪質性を隠すためで、このように犯人が供述に虚実を交ぜるのは「決して珍しいことではない」

と言い終わらないうちに、弁護団の小川先生がさっと立ち上がり、異議を唱えた。

「証拠がないじゃないですか!」小川先生が強く指摘するも、検察官は「まあ、あくまで経験則に基づく我々の評価なので......」と弱々しく弁明。小川先生が、「いや、経験則なんて、根拠何にもないじゃないですか!」と机を叩いて吠える。しかし検察官は薄く苦笑いを浮かべ、裁判長は呆気なく異議を棄却した。

ほかにも、侵入経路や逃走経路、犯行着衣やくり小刀の購入店など、捜査官の想定とは異なる供述が多くあるのに、浜田鑑定はそこを評価しておらず、選択部分が恣意的だと非難する。

捜査官の想定(というより「筋書き」)と違う供述が多いのは、それこそが、浜田教授の指摘する「無知の暴露」にほかならないのではないか。

自白の中で5点の衣類の話が一切ないことについては、〈すべてを話す覚悟はなかった〉〈否認に転ずる余地を残したかった〉〈証拠隠滅をする卑怯者と思われたくなかった〉など「様々な可能性」があるとして、「犯人がすべてを自白するとは限らない」と主張。

ここにまた、小川先生から「証拠がない」と鋭い異議が飛ばされる。こんなふわっとした主張で、よく浜田鑑定に噛みつけるなあ、とその勇気には感心する。

自白に落ちた9月6日の取調べについて、袴田さんは頭痛とめまいがして眠っていたところ、午前11時すぎに起こされ、よくわからないまま書面に名前を書かされたと公判で供述した。

しかし検察は、自白に落ちた場面こそ録音されていないものの、午前11時頃からは録音されていて、公判供述は虚偽であると主張。

その瞬間に「異議があります」と小川先生が立ち上がり、録音がいつのものかはわからないので根拠がない、と凄みを効かせる。しかし、異議はまたすぐに棄却される。

検察は、「この日の取調べはほとんどすべて録音されている」と述べ、そこでまた小川先生がさっと立ち上がり、根拠がないと指摘。

「検察側が開示した録音テープなんだから、取捨選択を恣意的にしてるのはそちらでしょう?」検察官を指さし、憤りを露わにする。

鋭い異議を飛ばす小川先生。いつもに増してかっこいいです。

この日は約14時間40分の取調べがあったが、そのうち開示されているのは10時間ほど。百歩譲れば“ほとんどすべて”と言えなくもないのかもしれないが、自白に転じた当日の空白の数時間はあまりにも重要だ。

そもそも録音テープは430時間ほどのうち47時間ほどしか開示されていないのに、これでよく他人に対して恣意的だと言えたものだ。

(2)被害金のねつ造について

弁護側の、警察が封書等をねつ造したという主張は「根拠がきわめて薄弱」で、「ねつ造することは考えられない」と、またふわっとした反論。

この公判だけで「根拠がきわめて薄弱」というフレーズをいったい何回聞いただろうか。やけにそれだけが耳にこびりついてくる。

まず、袴田さんが被害金を預けたとされる元同僚の女性について、袴田さんと親しくしていたことや、逮捕後に友人に対して「話せば犯人にされる」「仕返しされる」と話していたことから、事件と関係があるとしたことを主張。

袴田さんが逮捕された4日後の8月22日に、この女性宅は家宅捜索されている。そして袴田さんがお金を預けたと自白した翌日の9月7日から12日にかけて、女性やその家族まで取調べがされている。そして13日に封書が発見、14日に女性を逮捕した。

共犯者として執拗に追われ続けていたが、女性は最後まで否認し続けた。

また、7月19日に吉原のバス車内で発見された黒革財布については、金額が似ているだけにすぎず、被害金であるかどうかはまったくわからないとした。

また、被害金のねつ造について、弁護人の主張はまた「根拠がきわめて薄弱」であるとして、全面的に否定する。

お札の番号が焼かれていた原因は、「様々な可能性がある」と主張。ただの一般人が、わざわざ番号を焼こうという発想に至るものなのだろうか。少なくとも、私はあの番号が何のためにあるのかもよく知らなかった。

番号を照合すれば、それがいつどこで発行されたお札なのかがわかる。それを消す=お札の出所をわからなくする、そのほかに理由があるのだろうか。「様々な可能性」とは...。

そして、5点の衣類のとき(第3回公判)とだいたい同じような論法で、警察による被害金のねつ造は困難だと主張していく。

一つは、お金を預けたとされる女性が封書を投函したという立証が難しいということ。

また、8月22日に女性宅を捜索しているが、そのときに筆跡がわかるものを押収したり、密かに入手したりしたことはなく、筆跡を真似できるはずがない、と主張。

手に入れることはできただろうし、こっそり入手したのなら、それは当然記録には残さないだろう…?

そして、袴田さんを逮捕した直後の時点で、すでにこのような被害金のねつ造まで計画していたということは、「理解が困難である」と述べる。
あの、理解が困難なのはこちらの台詞ですが。

また、この封書は9月13日に清水郵便局で発見され、職員が開封してから清水警察署に届けたとされる。郵政監察官が職員に聴取を行ったが、封書を集配した者などは特定できなかった、と捜査報告書にはある。

当時は袴田さんの逮捕、起訴から間もなく、被害金が郵便局で見つかったとなれば、それは大ニュースだろう。

しかし当時の郵便局職員は、約45年後に、当時そのような話を聞いたこともなければ、郵政監察官から調査を受けたこともない、と述べている。

検察は、「45年前のことを覚えているとは限らない」と主張する。しかし近所であれほど凄惨な事件が起こり、職員としてそれに関わったとなれば、忘れたくても忘れられないのではないだろうか。

つまり、本当にこれが郵便局で見つかったものなのか、それすらも謎に包まれているのである。

(3)外部の複数犯説について

弁護側の外部の複数犯説は「根拠がきわめて薄弱」で、袴田さんが一人で犯行を行ったことに「何ら矛盾はない」と断言。本気で言っているのか...!?

弁護側は、前回の公判で、被害者の方々のご遺体の写真から、縄で縛られた痕や、歯や骨が折れているなどの激しい暴行の痕を主張した。

しかし、ご遺体の写真には色合いがまだらな部分もあり、弁護側はそれを縄に見えると言っているだけだと反論する。

また、長男の左手には防禦創があること、弁護側が主張する各被害者の傷は死後にできたと考えられることなどを主張し、弁護人の主張は「事実無根と言っても過言ではない」と吐き捨てた。

また、その他外部の複数犯説の根拠に対しても反論。

まず、傷の場所が集中しているという点については、矢継ぎ早に刃物が繰り出されたもので、むしろ、被害者が動ける状態だった証拠だと考えられるという。

「矢継ぎ早に」って、凶器はあの小さなくり小刀だということを忘れてない...?

誰も悲鳴を聞いていないということも、深夜で突然のことで狼狽し、近隣住民を起こすほどの大声は出せなかった可能性があると述べる。

犯行動機に関しては、弁護側は、被害者宅には多くの金品が残されていたことなどを理由に、強盗ではなく怨恨目的だと主張しているが、検察側は、実際に金袋などが盗まれている以上、金品を手に入れようとしていたことは「動かしがたい事実」であると述べる。

また、裏木戸付近に警察がわざわざ金袋二つを置くのは不可解であるうえに、録音テープから、"盗まれた金袋は三つ"だと、取調べ官が確信している様子がわかるので、落ちていた金袋2つはねつ造ではない、と。

ここで小川先生が、「意味がわからないんですけど......」と立ち上がる。「警察が自分でねつ造だなんて言うはずがないんだから、当たり前じゃないですか......?」と首をかしげる。そりゃそうだ。

取調べ官は、容疑者から自白を取るために、自分自身に暗示をかけて、この人が犯人だという確信を持って臨む、という話を聞いたことがある。
なんて末恐ろしい世界だ。いつ何があるかわかったもんじゃない。

そして、「犯人は怨恨目的の外部の複数犯である」という弁護側の主張は、「根拠がきわめて薄弱」と再度述べる。そして、一家4人を刺した後にすぐに混合油を準備できた人物として、犯人はみそ工場関係者であると主張した。

最後に、「袴田さんが犯人であるということには、何ら揺らぐことがない」、と淡々と主張。

この人たち、本心でそう思っているのか。ひで子さんを目の前にして、心が痛まないのか。私は聞いているだけでも胸がぎゅうと苦しくなる。

≪要旨の告知≫

14:15~14:45の休廷後、検察側の要旨の告知に入ったのだが、これが何とも面白かった。

まず、浜田鑑定は内容の取捨選択が恣意的であるということについて。

実際に取調べの録音テープを使って説明するとのことで、え?と耳を疑った。
あの酷い音声を、まさか検察側が自ら使うとは......!

袴田さんが、自白後に取調べ官に迎合することなく、捜査員の想定と違う内容を積極的に話していたということを主張。

録音テープは聞き取りにくいので先に朗読する、と真ん中の男性検事が言うと、隣の女性の検事がすっと立ち上がり、男性検事が取調べ官役、女性検事が袴田さん役で、何やら寸劇が始まった。

取調べ官役の男性検事が、非常に優しい穏やかな口調で、「どうやったのか?」「それは本当か?」のように問いかけ、それに対して、袴田さん役の女性検事は、「はい」「いや」「違います」などとぶっきらぼうに答える。

そして朗読が終わり、「それでは、実際のテープを再生いたします」と堂々と録音を流し始めるのだが......取調べ官が「うん??」「ああ??」と激しく威圧する声が飛び交い、袴田さんの声はほとんど聞こえない。朗読とは全くもって違う。

これは、なんなんだ?いったい何がしたいのか......?やればやるほど墓穴を掘っているけど、大丈夫......?
これが30分ほど続けられて、私はなんだかツボに入ってしまって、ずっと口を押さえて笑っていた。

取調べがそれほど酷いものではなかったと思わせるための朗読なのかもしれないが、先に優しい口調で朗読をしてから実際のテープを流すせいで、余計に酷さが際立つ結果になっている。これではもはや無罪立証だ。

(15:30~15:45の間、休廷を挟み、再開)

角替先生が、自白した9月6日の録音は根拠がない、と再度指摘される。
田中先生も、開示されているのは約14時間40分のうちの約10時間で、「ほとんどすべて」というのは間違いだと指摘。「どうぞ一度お調べになられてからおっしゃってください~?」と皮肉たっぷりに言う。クゥ~、痺れる。

ほかの部分の要旨の告知については、内容が薄く、調書を読み上げるばかりだったので省略。最後に細々としたことを補足して、16:50頃閉廷。最後のほうはとても長く感じて、どっと疲れが押し寄せてきた。

 

 弁護団記者会見

小川先生が、今日の公判について「田中先生と角替先生が、わかっているつもりだったことを簡潔で的確にまとめてくれた」と振り返り、「私はあんまりよかったとは言わないんですけれども、今日は本当によかった」と、やわらかい笑みをこぼしていた。

「ねつ造がエスカレートした」という今回の主張の意図については、担当された田中先生と角替先生からお話しされた。

角替先生は、5点の衣類の発見までに、事件発生直後から大小さまざまな隠蔽やねつ造があり、この事件は、決して「5点の衣類が急に現れたというわけではない」ということを強く主張された。

田中先生も、捜査経過を時系列順に追って行けば、「人を犯人にするためには何でもやるんだ」とよくわかると述べられた。

また、今回の公判で主に小川先生から何度か異議があったように、検察側の冒頭陳述は証拠に基づいていない、と先生方は口を揃えて批判する。

検察側の要旨の告知は全体的に薄っぺらい印象で、写真などもほとんどなく、主に警察・検察自らが作った調書などを使っている。「あんなのうそっぱちに決まってるじゃないですか!」と角替先生が声を荒げる。

記者の方から、浜田鑑定は他の再審請求でも使われているため、他の事件への影響を避けたいという意図があったのでは?という鋭い質問があり、先生方も苦笑い。

田中先生は、浜田鑑定が認められて困るのは検察だけではなく裁判所も同じなので、検察はあれほど長々と主張したのではないか…と推測する。角替先生は、あの取調べがひどくなかったとは到底言えないから、比較的攻撃しやすい浜田鑑定を攻めたのではないか、とも推測した。なるほどなあ......。

翌日の第9回公判では、検察側から血痕の赤みについての反論などがある。笹森先生は、「このままいけば検察は負けることになってるんですけども」とさらりと述べ、明日は検察側が負けないための立証を行う最大の山場になるとして、「ぜひじっくり聞いてほしいですね」と皮肉っぽくニヤッと笑っていた。

 

残された公判期日もあとわずか。結審、そして判決の日は迫っている。

私は新参者だが、今まで5回も傍聴させていただいているおかげで、弁護団の先生方の勇姿は有り余るほどに目に焼き付いている。

鋭さとやさしさを兼ね備え、個性豊かで魅力的な先生方一人一人のことが、私はもうすっかり大好きである。また私の大切な友達である巖さんも、いつも強く美しく、憧れの女性であるひで子さんのことも、いつもお世話になっている支援者の方々のことも、同じく大好きだ。

心から敬愛する皆様とともに、幸せに包まれて笑い泣く日が、一日も早く訪れるのを心待ちにしている。

そんなことを改めて実感する、最高のハッピーバレンタインデーになりました。

バレンタインなんてただのチョコレート業界の策略だ、なども言われますが、こちらとしても、バレンタインをうまく利用して、人に感謝や好意を伝えることができる。ウィンウィンの関係じゃないですか。それでいいじゃないかと思います。そしてホワイトデーに海老で鯛を釣れたら......おっと間違えた。

長くなりました。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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